【こんな症例も治りますシリーズ 413】 ワンちゃんのクッシング症候群の脱毛に 適切な診断と特別な治療で治します

このワンちゃんは、体幹部という部分に左右対称に脱毛が起こっています。 同時に、ビール腹のように大きくなったお腹をしています。 腹筋の筋肉が弱った影響で下垂しています。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3v4Ct3I

 

イヌ 11歳8ヵ月 去勢オス

 

【 最近太って脱毛が進んできた 】とのことで来院されたワンちゃんです。

 

 

■ 身体検査では、犬の脱毛が進み、皮膚がカサカサしている状況と腹部がたるんでいました。

 

■ そして、お話を伺うと、このワンちゃんは以前よりお水をたくさん飲み、尿量が増えてきている【多飲多尿】という症状がでているようでした。

 

■ そこでまず、血液検査、尿検査、レントゲン検査および超音波検査をさせて頂きました。

 

 

■ 血液検査の結果では、肝酵素と脂質数値の上昇が認められました。

 

■ レントゲン検査では、肝臓が腫大していました。

 

■ さらに超音波検査では、肝臓と左右の副腎の腫大が確認されました。

 

 

 

■ これらの検査結果より、【クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)】という病気が疑われたため、ホルモンの検査を追加で行い、クッシング症候群ということが診断確定されました。

 

■ クッシング症候群は、様々な原因により、腎臓のそばにある副腎から分泌される【コルチゾール】というホルモンが出すぎて、体に悪影響を与えている状態をいいます。 症状が進行すると免疫力が低下し、皮膚炎になったり、糖尿病などの病気を併発したりするので注意が必要です。

 

 

■ そもそも副腎は、脳下垂体から出るACTH(副腎皮質刺激ホルモン)というホルモンの刺激により、【コルチゾール】を分泌します。

 

■ そのため、脳下垂体に腫瘍が出来てACTHが出すぎてしまうと、副腎も【コルチゾール】をたくさん分泌させてしまいます。

 

 

■ また、脳下垂体が正常でも、副腎そのものに腫瘍ができることでも【コルチゾール】の分泌は過剰になります。

 

■ このワンちゃんの場合、脳下垂体に腫瘍が出来て副腎からの【コルチゾール】分泌が過剰になっていたと考えられました。

 

 

■ 治療は【コルチゾール】の合成を止めることが出来るお薬を使うことで、症状が改善されていきました。 しかしながら、一度脱毛してカサカサになってしまった皮膚からの発毛には時間がかかりそうでした。

 

 

■ そこで以前にも紹介させていただいた【 優秀なドイツの自然療法薬 】により、デトックス治療を同時に実施すると、劇的に発毛が進み発症前に近い状態まで改善されました。 そして飼い主様にも大変喜んで頂けました。

 

 

 

■ 以前より太った、脱毛が進んだ、お水を飲む量が増えた、などといった症状が現れたら躊躇せずにご来院ください。

 

■ また同じ病気で、内服治療中でなかなか改善されないといった場合、当院までご相談ください。

 

 

獣医師 天野雄策

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